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2010年アメリカ医療保険改革の概要

2010年3月にオバマ大統領が署名した、ヘルスケア改革法案によって、今年から段階的に、新しい法律が施行されます。今後、アメリカの健康保険はどう変わるのか、ご自身の保険や税金にどのような影響がでるのか、ご心配の方も多いと思います。現段階では、まだ全ての詳細は決まっていませんが、おおまかな概要は下記のとおりです。

(表示方法の変更) カテゴリー別で見る施行年度別で見る

19歳未満の子供の保険加入についての規則はこちらから

<2010年10月から施行される項目>

1.子供は26歳まで、親の保険に扶養家族としてとどまることができるようになる。26歳以下であれば、未婚、既婚、学生か否か、親と同居しているかどうかには関係ありませんが、対象は子(実子、養子)のみで、子の配偶者は適用外です 

2.19才未満の加入者については、既往症があっても、保険加入を拒否されることはなくなる

3.保険会社が、すでに保険に加入している人の保険契約を、病気になったことを理由にして、途中でキャンセルすることの禁止(意図的な虚偽申告や違法な加入があった場合を除く)

4.新しいプランについては、保険のライフタイムの上限金額を設けることの禁止、および、年間上限金額については、法律で定める「エッセンシャルベネフィット」について、金額の規制をし、2014年までに段階的に廃止

5.予防医療(健康診断、予防接種など)の費用については、加入者の自己負担なしで、保険が100%適用することの義務付け
  *予防医療のリストはここをクリック

6.社員の健康保険を提供しているスモール・ビジネスへのタックスクレジット:小規模雇用主や非営利団体が従業員に対し負担する医療保険料の一部が税額控除という形で還元される。税額控除の上限額は、雇用主が負担している適格医療保険料の35%まで(非営利団体は25%まで)。 原則として、この税額控除は以下の条件を満たす小規模雇用主に認められる: 

  • 雇用主は従業員の適格医療保険料の半額以上を負担
  • 25 名未満のフルタイム従業員(パートタイムは時間合算によるフルタイム換算)
  • それらの従業員に対する給与額が年間平均5万ドル未満

7. メディケア・パートDの加入者で、年間の薬代が$2830に達してから、$6440になるまでの間の、いわゆる「ドーナツホール」に入ってしまった人に、$250を還付。この「ドーナツホール」は、段階的に縮小し、2020年までに廃止する

8. 保険会社が、保険料収入のうち何割を医療費に使ったか(メディカル・ロス・レシオ)の報告を義務付け

9. 不正を防ぎ、医療費の無駄を防ぐために、医療従事者の監視を強化

10. 室内日焼けサービスへの10%の課税

11. 国民の健康の向上のための各種のサービスの拡大

12. 国民が健康保険を比較して購入できるウェブサイトの開設

13.2014年までの期間限定で、既往症のために保険に加入できない個人のための、全米規模のハイリスク・プールを暫定的に設立する。ハイリスク・プールを利用できるのは、米国市民または永住権保持者で、既往症のために、最低6ヶ月以上無保険の人。$5ビリオンドルの予算が、このハイリスク・プールに充てられている

14. 保険会社による、保険料値上げを監督し、値上げに正当な理由があることを説明させるシステムを構築する

15.環境汚染によって障害を持つことになった人にも、メディケアの給付を開始

16.メディケアからの、病院、ナーシングホーム、ホスピスなどへの従来の支払い方式を改め、医療機関の効率によって支払い額を調節するシステムにする

17.生物医薬品のジェネリック版を、FDAによって認可することを許可。また、製薬会社が、開発した生物医薬品に対して、12年間の専売特許を得ることを認可

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<2011年から>

1. ヘルスセービングアカウント(HSA,FSA,HRAを含む)から支払うことのできる医療項目の定義を明確化、処方箋なしに店頭で購入する薬は、HSAなどから無税で支払える医療項目ではなくなる

2. メディケイド(メディキャル)による障害者への医療サービスの拡大

3. メディケア・パートDの「ドーナツホール」に入った加入者に、ブランド薬の50%割引

4.メディケアの予防医療を促進するために、認定された予防医療については、患者の自己負担をなくし、予防医療を提供する医療機関へのメディケアからの支払いを引き上げる

5. 社員へ健康保険を提供する中小企業に対して、「カフェテリア・プラン」を利用することによる、非課税ベネフィットの拡大

6. 保険会社が、保険料収入に対して、医療費に使った金額の割合(メディカル・ロス・レシオ)が、大規模企業プランで85%未満、小規模企業プランと個人プランで80%未満の場合は、その差額を加入者に還元させる

7. 政府運営の、介護保険制度の制定(詳細未定)

8. 医療ミス関係の訴訟を減らすための、連邦政府から州への奨励金の支払い

9. 社員の健康向上プログラムを導入するスモールビジネスに対して、奨励金の支払い

10. メディケアパートBの保険料の所得制限を、2019年まで、2010年と同じ金額に据え置き

11.ヘルスセービングアカウントからIRSが認めた医療費以外の用途で引き出した場合のペナルティータックスを、現在の10%から、20%に増税、Archer MSAアカウントも同様に、現在の15%から、20%に増税

12.2014年までの期間限定で、既往症のために保険に加入できない個人のための、全米規模のハイリスク・プールを設立する。ハイリスク・プールを利用できるのは、米国市民または永住権保持者で、既往症のために、最低6ヶ月以上無保険の人。$5ビリオンドルの予算が、このハイリスク・プールに充てられている

13.チェーン展開するレストランや、自動販売機で販売される食品に対して、栄養分の内訳の表示を義務付け

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<2012年から>

1.病院や、医療サービス提供者の、効率の向上のための、各種の政策を実施予定

2.メディケア受給者の在宅医療のニーズの増加に対応するためのプログラムを立ち上げる。これにより、入院、再入院を減少させ、治療の質と効率を向上させ、患者の満足度を向上させ、医療費を削減することを目指す(2012年)

<2013年から>

1. 所得税から控除できる医療費の金額を、現在の、調整後所得の7.5%を超える金額から、10%を超える金額に引き上げ(つまり、増税)ただし、65才以上の人は、2016年まで、7.5%で計算できる

2. 医療機器の購入に対して、2.3%の課税(眼鏡、コンタクトレンズ、補聴器、などは適用外)

3. 高額所得者に対する、メディケア・タックスを、現在の給与の1.45%から、2.35%に引き上げ。対象となるのは、シングルで$20万ドル、夫婦で$25万ドル以上の所得がある人

4. 一定の条件を満たす保険会社の幹部報酬に対する、税金の控除を縮小

5.Flexible Spending Accountへの医療費積み立て上限額を、年$2500とし、毎年、インフレに応じて調節する

6.全米の保険会社に対して、統一された保険手続きを導入することを義務付ける。つまり、保険申請、審査、医療費の支払い、保険料の支払いなどについて、どの保険会社でも同じルールでプロセスするように規制する

7.医療従事者、医療施設、医療機器の提供者、製薬会社、サプライヤーなどの間の関係を明確にディスクローズすることを義務付け

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<2014年から>

1. 保険会社が、既往症や病歴を理由に、保険加入や更新を拒否することを全面的に禁止

2. 保険会社は、加入者の年齢、地域、プラン、喫煙、家族のサイズなどによって保険料を変えることができるが、既往症、病歴、クレーム歴、性別による保険料の割り増しはできなくなる。年齢による割り増しは3倍まで、喫煙による割り増しは1.5倍までなどの制限を設ける。

3. 保険の年間上限の撤廃

4. 年間自己負担額の上限を設定

5. 保険のWaiting Period を最高90日までに制限

6.保険プランの比較や購入を容易にする目的で、全ての州に、保険取引所が開設される。個人と、社員100人までのスモール・ビジネスが取引所を利用できる。取引所を利用できるのは、米国シチズンと、永住権保持者に限定される。取引所の運営と詳細の決定は、各州に任される

7. 個人の保険加入が義務化され、加入しないと、ペナルティーが課される。ペナルティーは、2014年=$95 または課税所得の1%、2015年=$325 または課税所得の2%、2016年=$695 または課税所得の2.5%、家族の場合は上限が個人のペナルティー金額の3倍。2017年からのペナルティー金額は、物価上昇率にあわせて調節される。所得の低い人(2009年の所得が独身で$9350以下、夫婦で$18700以下の人)や、宗教上の信条により保険に加入しない人、加入できるもっとも安いプランの保険料が所得の8%を超える人、などに対する例外あり

8. クリニカル・トライアル(臨床治験)への参加を理由に、保険契約をキャンセル、または保険加入を拒否することの禁止

9. 州内に制限されることなく、全国規模で利用できる保険の提供

10. 医療費が原因の自己破産を防ぐため、所得が、メディケイド(メディキャル)受給資格を超えるが、貧困レベルの400%未満の人を対象に、保険料と、自己負担分を政府が補助: 所得が一定以下の個人やファミリーが、保険取引所で健康保険を購入する場合に、保険料の一部を政府が補助する。(プレミアム・クレジット) 所得に応じて、補助の割合が異なる。資格が得られるのは、所得が、連邦貧困レベルの400%以下の人。ただし、政府からの援助は、妊娠中絶の医療費には利用できない

11. 社員50人以上の企業で、適格健康保険を提供しない企業に、罰金を科す

12. 社員200人以上の企業は、社員全員を、自動的に会社が提供する保険に加入させること(社員は自主的に加入を拒否できる)

13. 社員に健康保険を提供しているスモールビジネスへのタックスクレジットの第二段を実施: 一定の条件を満たす企業が、保険取引所を通して保険を購入する場合に、その企業の社員数と平均給与金額に応じて、税額控除は、雇用主が負担している適格医療保険料の最高50%まで(非営利団体は35%まで)。

14.スモールグループ用の保険の年間免責額は、個人で$2000、家族で$4000を上限とする

15.55才以上で、まだメディケアを受給していない退職者に保険を提供している企業に対しての、資金援助

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<2015年から>

1. 医療にかかるコスト削減、メディケイドの財政難解消、医療サービス全体の改善の実現を目的とした外部委員会の設置と、議会への指針の提出

2. メディケア受給者が受ける医療サービスの質の向上のため、医師への支払いを量でなく質を基に計算するシステムの構築

<2018年から>

1. 保険料が一定金額以上の高額保険プランに対して、40%の課税。課税対象となる保険料金額は、個人プランで$10200、家族プランで$27500以上。これを上回る保険料に対して課税される。

 

<注意>上記は、法案の中から抜粋したものであり、法案の全項目ではありませんので、ご了承ください

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